東京のファッション中心地、銀座の歴史

銀座

銀座(Ginza)は、東京都中央区にある一大商業地域で、日本を代表する繁華街のひとつです。江戸時代から現代に至るまでの歴史があり、その変遷をご紹介します。

銀座の歴史

江戸時代(1603年 – 1868年)

銀座の地名は、江戸時代初期に銀の鋳造所「銀座」が設置されたことに由来します。

江戸時代には日本橋が商業の中心地であり、銀座はその西端に位置していました。当時の正式な町名は新両替町でしたが、この頃の銀座は主に金や銀の取引が行われる地域だったこともあり、通称で『銀座』と呼ばれるようになりました。しかし幾つもの不正行為が発覚したのをきっかけに、「銀座」は日本橋蠣殻町に移転させられてしまいましたが、『銀座』という通称だけ変わらずそのままになりました。

明治時代(1868年 – 1912年)

明治維新後、日本は近代化を進め、銀座もまた変化しました。
1872年の大火の後、西洋建築が導入され、銀座通りには煉瓦造りの建物が立ち並び雨の日でも傘をささずに歩けるアーケードも完備されたりして「煉瓦街」と呼ばれました。しかし、注目を浴びた煉瓦街も建設当初は意外に人気がなく、空き物件が目立っていたらしいのですが、様々な新聞社の進出をきっかけに新しい物に敏感なジャーナリストが集う銀座の街は流行の発信地として変化を遂げます。江戸時代には座売りが主流だったのに対し、ショーウィンドウに商品を陳列して売る『立ち売り』スタイルを展開しました。これにより、銀座は西洋風の街並みを眺めながらウィンドウショッピングを楽しむ街として、銀座=憧れの街という認識が広まり、のちの『銀ぶら』という言葉もこの頃誕生したと言われています。また、明治時代には百貨店が登場し、銀座にも日本初のデパートとされる三越(現在の銀座三越)が開業しました。

大正時代(1912年 – 1926年)

大正時代には、日本の文化が大きく発展し、銀座は文化の中心地としての地位を確立しました。
明治から大正にかけて、建築史に残る美しいビルや建物が次々と誕生したこともありこの一帯は近代建築の宝庫とも呼ばれています。
またこの頃銀座には日本初のカフェとされる『カフェプランタン』の喫茶店が誕生しました。ここから多くのカフェや喫茶店が開店し美術家や文化人の社交の場となっていきました。
明治時代に専用劇場として誕生した歌舞伎座や大正期には新橋演舞場や様々な映画館が誕生したのをきっかけに、映画や演劇の舞台として発展しました。銀座には伝統にとらわれない若者も集まるようになり、流行の最先端が集う「モダン」なエリアとして知られるようになりました。

昭和時代(1926年 – 1989年)

昭和時代に入ると、銀座はさらなる発展を遂げます。
昭和20年代には、高層ビルが立ち並び始め、経済発展に伴い、高級ブランドが進出しました。
また、戦後復興期には、銀座四丁目交差点周辺が繁華街として栄え、東京地下鉄道も「京橋駅」、「銀座駅」、さらに「新橋駅」まで開業するなど、交通の利便性も向上し、さらに多くの人で賑わう街となりました。
また、大規模な歩行者天国が始まったのもこの頃からといわれています。

平成・令和時代(1989年 – 現在)

現代の銀座は、国内外の高級ブランドや百貨店、有名レストランが集まるのみならずユニクロやZARAなどリーズナブルなブランドも旗艦店や大規模店舗を構えていて、日本でも有数の一大ショッピングエリアとして観光客も集まる人気スポットとなりました。銀座駅周辺には、東京メトロ、都営浅草線、JRまでありアクセスも非常に便利です。最先端の流行発信地でもある銀座の街ですが、伝統を感じさせるノスタルジックな街並みや、歴史的建造物など古き良きものがしっかり感じられるのも銀座の魅力です。

銀座にある百貨店

銀座三越

日本初の百貨店でもあり、銀座の街のシンボルとなっている百貨店でもあります。
地下4Fから12Fという大きなビルの中には、飲食店から生活用品、国内外の高級ブランドまで様々なショップが入っています。また、新鋭ブランドのポップアップや、アーティストの個展・海外POPカルチャーの限定ショップなど、幅広いイベントも開催していて、トレンド感度も高く、幅広い年齢層と観光客にも人気のお店です。

松屋銀座

銀座を代表する百貨店のひとつでもある松屋銀座。国内外の旬のファッションブランドやラグジュアリーグッズなどを取り扱うことで知られており、都内有数のショッピングスポットの一つです。松屋銀座にはレストランやアートギャラリーがあるほか、建物のデザインも非常に美しくショッピング以外でも楽しめる百貨店です。また、松屋銀座の地下一階のデパ地下グルメはかなり充実していて手土産の松屋と呼ばれるほど多くのお客様がグルメを求めていらっしゃいます。

東急プラザ銀座

東急プラザ銀座は銀座の中心地である数寄屋橋交差点の一角にある、ショッピング・グルメ・カルチャーが楽しめる複合施設です。銀座では最新の百貨店であるため、外装が現代的でおしゃれな雰囲気に包まれています。世界各国の味が楽しめるレストランや、職人技を生かした和雑貨の店など、国内外の話題店がひしめきあう注目度が高いエリアとして人気があります。

GINZASIX

銀座エリア最大級の複合商業施設で有名なGINZA SIX(ギンザシックス)。屋上の庭園の広さも約4,000㎡とかなりの広さを誇ります。外周には、360°ぐるりと歩き回れる歩道が通り、スカイツリーや東京タワーを見ることができます。ラグジュアリーな海外ブランドをはじめとする衣・食・住のフラッグショップが100店舗以上集結していて、銀座の新しいランドマークとして若い世代から人気を集めています。

歴史を振り返ると銀座はトレンド発信地として、そして日本を代表する繁華街として、明治時代より現代に至るまで常に話題と注目を集めてきました。
銀座は古き良き時代の魅力とともに新たなエネルギーを生み出し進化し続ける街です。
歴史を知った上で散策をしてみるとまた違う一面に出会えることでしょう。