ピンクダイヤモンドとは?その価値と魅力を徹底解説

ダイヤモンド

一般的に無色透明のイメージが強いダイヤモンドですが、中には色味のついたカラーダイヤモンドが存在します。
ピンクダイヤモンドは、非常に希少で美しいダイヤモンドの一種であり、鮮やかで美しいピンク色をしているため可愛らしい見た目から女性人気が高く、結婚指輪などにも使われることが多い傾向にあります。この上品な美しさと希少性から、ピンクダイヤモンドはジュエリー市場で最も高価な宝石の1つとされています。

ピンクダイヤモンドの色は、鉱物内に存在する希少な元素であるボロンや窒素、および結晶の欠陥によって形成されます。色の濃さと明るさは、ダイヤモンド内のこれらの要素の存在量や位置によって異なります。ピンクダイヤモンドはオーストラリア、南アフリカ、ブラジル、インド、ロシア、およびカナダなどの場所で発見されますが、生産量の約90%を占めるオーストラリア・アーガイル鉱山が閉鎖されたことでピンクダイヤモンドの価格は数年前から急上昇し、今後更に希少性が高まり価値が上がると考えられています。

ピンクダイヤモンドといってもピンクの色味はほんのり淡い桜色からパープルがかった濃いピンクまで様々で一般的に『色の鮮明度、濃さ』から評価されます。ピンクダイヤモンドとして価値があるのはZカラーを超える一定以上の色の明るさと濃さを兼ねそろえている『ファンシーピンク』以上のものになります。このファンシーピンクにも段階があり、上からファンシーヴィヴィット、ファンシーインテンス、ファンシーディープ、ファンシーダーク、ファンシー、ファンシーライトの順に希少性が高く、一般的に色が濃くはっきりしているものほど価値がつきます。

ピンクダイヤモンドの生産量のほとんどを占めるのがアーガイル産ですが、その特徴は比較的濃いカラーのピンクが多く、パープルがかった鮮やかな彩度のルースもあり人気が高いです。
他にもインド、ロシア、ブラジル産がありますが、全体的に色の淡いものが多く、コレクターの中にはアーガイル産にこだわる方もいらっしゃるほどです。

ピンクダイヤモンドは通常他のダイヤモンドと同様に、カラット(重量)で評価されますが、色合い、明るさ、および透明度などの特性も重要な要素です。また、ピンクダイヤモンドは自然な形状で産出されることが多く、丸形のものよりも、形やカットがユニークなものが高価になることがあります。それは、もともとダイヤモンドがピンクということ自体の希少性が高いので、ピンクダイヤモンドに含まれる内包物が石の耐久性に悪影響がない限り、カットを優先するといった加工を行わないためです。

自然界に起こる偶然の奇跡から生まれるピンクダイヤモンドですが、透明またはブラウン、イエローのダイヤモンドに人工的な放射線処理で加熱処理を加えることでピンクダイヤモンドに仕上げることが可能です。天然のカラーダイヤモンドと人工的に着色されたダイヤモンドを比較するとカラーの鮮やかさと透明度に差が出るといわれていますが、素人が判断することは困難だと言えます。そのため一般的には鑑定書を見て判断します。鑑定書の色起源の欄を見ると、人工的に着色したダイヤモンドなら「人為的照射」、自然に色がついた天然のカラーダイヤモンドであれば「天然」と記されています。
天然のカラーダイヤモンドと人工的に着色されたカラーダイヤモンドでは宝石としての価値は全く別のものとなるので、購入の際は天然のピンクダイヤモンドなのか確認することも非常に大切なのです。

もともと生産量の少ないピンクダイヤモンドですが、ジュエリーとして扱っているものはほとんどが0.1カラット以下のため、逆に言い換えれば0.1カラット以上であればかなりの大粒と言われます。それほどにも希少と言われているピンクダイヤモンドですが、世界で最も有名なピンクダイヤモンドの1つは、20カラット以上の「ピンク・レガシー」と呼ばれる宝石です。このダイヤモンドは、レディ・ガガが身に着けていたことで有名になりました。他にも、「スティンガー・ピンク」と呼ばれるダイヤモンドや、ロイヤル・フェミリーに所有されている「ウィリアム王子の婚約指輪」として有名な「ガリナ・ジョリー・ピット」など、多くの有名なピンクダイヤモンドが存在します。希少価値の高いピンクダイヤモンドはセレブに人気なのはもちろんのこと、最近では日本でも婚約指輪や結婚指輪にピンクダイヤモンドを添える方が増えている傾向にあります。ピンクダイヤモンドが世界中の女性を魅了しつづけている理由は、その愛らしい色だけでなく、宝石としての価値も大変高い希少なダイヤモンドだからなのです。

ピンクダイヤモンドの希少性や価値についてご紹介しましたがいかがでしょうか。
ピンク色の宝石はピンクダイヤモンド以外にもありますが、天然ピンクダイヤモンドの色合いはとても優しく上品に輝きます。ピンクダイヤモンドは年を重ねても着けられるの?という疑問の声を持たれる方もいらっしゃると思いますが、ピンクダイヤモンドの繊細で高級感ある輝きは年齢を重ねてこそふさわしい、価値ある宝石といえるのではないでしょうか。
「愛」と「幸福」のシンボルとされ、身につける人に幸せを運んでくれる宝石といわれるピンクダイヤモンド。小さな一粒に込められた神秘的な美しさをぜひお手に取って確かめてみてください。